「もう、
どうすればいいか分からないです。」
吐き捨てるように言い放った。
いつも仲良くしてくれる会社の先輩2人が、
わたしを静かに見つめる。
他に言う言葉が見つからなくて、
絞りに絞って出した言葉だった。
自分には価値がない。
そんな自分には、悲しむ資格もない。
そうやって、自分の感情にフタをし続けたわたしは、いつしか泣けない大人になっていた。
「自分はいてもいなくても変わらないんです。だからせめて、誰かの役に立てることがあるのなら、やっと自分の存在を認められる気がするんです。」
そう、うつむくことしかできないわたしに、一人の先輩が口を開いた。
「じゃあ、私達と一緒にいる時間は、
価値のない、どうでもいい時間なの?」
返す言葉が無かった。
先輩は続ける。
「一つだけ言わせてもらうね。
私達は”どうでもいい人”と一緒に時間を使わない。あなたと一緒にいたいと思ったから、一緒にいる。それ以上でも以下でもない。」
その言葉に涙が止まらなかった。
「たとえ、あなたが全てを失ったとして、地位や名誉、肩書がなくたって。
あなたは価値ある人間なんだよ。」
それは確かに、
自分が最も求めていた答えだった。
きっと寂しかったのだろう。
一人になる恐怖。
自分には価値が無いという思い込み。
わたしにはそれが、
どうしても耐えられなかったんだろうな。
でも実際は、
「何かしないと価値がない人」なんかいなくて。
みんな、みんな、
生きてるだけで価値のある存在。
だからそんなに
一人で苦しまなくていいんだ。
生きたいように、生きていいんだよ。
自分を大切にできるのは、
自分だけだからね。